「最近、子どもの態度が気になる」「急に怒りっぽくなった」「特定の友達にべったりで心配」——思春期を迎えた子どもの変化に、戸惑っている方は少なくないと思います。
実は、子どもが見せる「困った行動」の裏には、本人も気づいていない“不安”が隠れていることがあります。
保育や子どもの心理を学ぶ中で気づいたのは、「行動」だけを見ていると、子どもの本当の気持ちを見落としてしまうということです。
この記事では、思春期によくある2つの「困ったサイン」を取り上げて、その裏にある子どもの気持ちと、親としてできることをお伝えしていきます。
思春期の「困った行動」の裏には、必ず理由がある
思春期は、心と体が大きく変化する時期です。ホルモンバランスの変化もあり、子ども自身も自分の気持ちをうまくコントロールできないことがあります。
そんなとき、表に出てくるのが「困った行動」。でも、その行動には必ず裏側の気持ちがあるんです。
大切なのは、「なんでそんなことするの?」ではなく、「この子は今、何を感じているんだろう?」という視点を持つことです。
子どもの心理を学んできた経験から言えるのは、「困った行動」が激しいほど、裏にある不安も大きいということ。行動の「表面」ではなく「根っこ」に目を向けることで、親としての関わり方も変わってきます。
パターン①:頑張りすぎて、周りに厳しくなる子
こんな様子はありませんか?
- 友達のちょっとしたミスを強く指摘する
- 「ちゃんとやって」が口癖になっている
- 自分にも厳しく、完璧を求めている
一見すると「偉そう」「きつい子」に見えるかもしれません。でも、この行動の裏にあるのは、「認められたい」という不安です。
「認められたい」不安の正体
思春期の子どもは、親や先生、友達から「自分はちゃんとできている」と認めてもらいたい気持ちがとても強くなります。
だからこそ、自分が頑張っているぶん、頑張っていない(ように見える)周りが許せなくなることがあるんです。
「もっと頑張らなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」——その気持ちが強くなりすぎると、自分にも周りにも厳しくなってしまいます。
たとえば、グループ活動で誰かがサボっているように見えると、「なんでちゃんとやらないの!」と強く言ってしまう。これは「自分はこんなに頑張っているのに」という気持ちの裏返しでもあるんです。
こうした子どもは、周りから「怖い」「きつい」と思われて孤立してしまうこともあります。でも本人は、認めてほしくて一生懸命なだけ。その気持ちに気づいてあげられるのは、やっぱり一番近くにいる親なんですよね。
うちの子もまさにこのタイプかも…。いつも張り詰めてる感じがするんです。
頑張り屋さんほど、実は「頑張りを認めてほしい」という気持ちが強いことが多いんです。厳しさの裏側にある不安に気づいてあげることが、最初の一歩になりますよ。
パターン②:誰かを独占しようとする子
こんな様子はありませんか?
- 特定の友達にべったりで、他の子と遊ぶのを嫌がる
- 親の関心を独り占めしたがる
- 「なんで○○ちゃんと話すの?」と不満を見せる
「束縛が強い」「わがまま」と見えてしまうこともありますが、この行動の裏にあるのは「ひとりになりたくない」という不安です。
「ひとりになりたくない」不安の正体
思春期は、友人関係が大きく変わる時期でもあります。仲良しグループが変わったり、クラス替えで関係がリセットされたりすることもありますよね。
そんな中で、「この人がいなくなったらどうしよう」「自分には居場所がないかも」という不安が、誰かを独占しようとする行動につながることがあります。
本人も「こんなことしたくない」と思っていることが多いんです。でも、不安が大きすぎて止められない——そんな状態にいるのかもしれません。
SNSが身近な今の子どもたちは、「既読スルーされた」「ストーリーに自分だけ映っていなかった」といった些細なことでも、強い孤独感を覚えることがあります。大人から見ると小さなことでも、子どもにとっては世界が揺らぐような出来事だったりするんです。
最近、特定の子にすごく執着していて…。相手の子に嫌がられないか心配です。
その行動の裏には「居場所を失いたくない」という強い不安があるのかもしれません。「あなたには家という安心できる場所があるよ」と伝えてあげることが、心の安定につながりますよ。
叱る前に「この子は何が不安なんだろう?」と立ち止まる
子どもの困った行動を見ると、つい「やめなさい」「なんでそんなことするの」と言いたくなりますよね。
でも、行動を叱るだけでは、根っこにある不安は解消されません。むしろ、「やっぱり自分はダメなんだ」と不安が強まってしまうこともあります。
だからこそ、叱る前にほんの少しだけ立ち止まって、「この子は今、何が不安なんだろう?」と考えてみてください。
それだけで、子どもへの声かけが自然と変わってきます。
気持ちに名前をつけてあげる
「認めてほしかったんだね」「ひとりが不安だったんだね」——子どもの気持ちを言葉にするだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じることがあります。
正直なところ、毎回うまくできなくて当たり前です。でも「気づこうとしている」こと自体が、子どもにとっては大きな安心材料になります。
「見ているよ」のサインを日常に散りばめる
特別なことをしなくても大丈夫です。たとえばこんなことから始めてみてください。
- 「今日、頑張ってたね」とひと言伝える
- 子どもが話しかけてきたとき、手を止めて目を合わせる
- 「いつでも話聞くからね」とさりげなく声をかける
こうした小さな積み重ねが、子どもの中に「自分は大切にされている」という安心感を育てていきます。
思春期の子どもは「放っておいて」と言いながらも、心のどこかでは親の存在を求めています。距離感に迷ったときは、「干渉しすぎない、でも関心は持ち続ける」くらいのバランスがちょうどいいかもしれません。
でも、思春期って話しかけても「別に」って返ってくることが多くて…。
それも思春期のあるあるですよね。反応が薄くても、実は聞いていることが多いんです。「伝えたこと」は、子どもの心にちゃんと届いていますよ。
声かけのヒントをもっと知りたい方へ
思春期の子どもへの声かけについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。「つい言ってしまいがちなNGワード」や「安心感を与える言い回し」など、日常ですぐに使える内容です。
▶ あわせて読みたい:思春期の子どもに届く声かけのコツ
不安を抱える子どもの「学びの土台」を支えるなら
思春期の子どもが不安を抱えているとき、無理に「もっと勉強しなさい」と言葉をかけるのは逆効果になることもあります。
でも、子ども自身が「できた」「わかった」という小さな成功体験を積み重ねることは、自己肯定感を育てる上でとても大切です。
家庭で自分のペースで取り組める学習法として、通信教育を取り入れているご家庭もあります。自分のペースで「わかる」を積み重ねられる環境は、学力だけでなく心の安定にもつながることがあります。
まとめ:困った行動は、子どもからの小さなSOS
思春期の子どもが見せる「困った行動」は、わがままでも反抗でもなく、子どもなりのSOSであることが少なくありません。
- 頑張りすぎて厳しくなる子 → 「認められたい」不安
- 誰かを独占しようとする子 → 「ひとりになりたくない」不安
完璧に対応しようとしなくて大丈夫です。「この子は何が不安なんだろう?」と、少し立ち止まって考える——それだけでも、親子の関係は少しずつ変わっていきます。
子どもの気持ちに寄り添いながら、一緒にこの時期を乗り越えていきましょう。
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